◆隠された演出(4)−伏線

  • 2018.04.20 Friday
  • 09:44

 

JUGEMテーマ:日本映画の監督

 

 

伏線 【参考文献】

 

 

 

 津の映画には伏線が殆どありません。たとえ見落としたとしても全体の意味は理解でき、そもそも単なる説明との区別が曖昧で、これも過剰な演出を避けていたからだと言えます。トーキーで伏線があると思えるのは「麦秋」「彼岸花」の二作品。なお「東京物語」では母親の言動が伏線だったことを葬式後に暴露するので、ここには挙げません。

 

「麦秋」(16:16)

 

周吉「お前、そんな事思っているから、いつまでたったってお嫁にいけないんだ」

紀子「行けないんじゃない、行かないの。行こうと思ったら、いつでも行けます」

周吉「うそつけ」

史子「でもお医者さんだったらお止しなさいね」

紀子「もちろんよ」

*予告通りに紀子は自分の意志で医者の処へ嫁に行く。後の台詞はおふざけなので「もちろんよ」と答えた彼女も本心ではない。

 

 

「彼岸花」(30:50)

 

「ねえ、節子さん、同盟結びましょ」

「なあに、同盟って」

「ううん、うちな、お母ちゃん無理言うたら助けて欲しいんどすわ。そのかわり、うちも助けます」

「ええ、いいわ」

「いやあ、お願い頼んまっせ」

*小津映画の中で一番臭い伏線。美人女優三人が出演する初のカラー作品ということで弾けたかったのか。ともあれ、これ以上のものが無くて良かった。

 

 

 詞だけの伏線と思えるのが以下の二つ。

 

「早春」(11:24)

 

辻 「なあ、おれ今度の日曜、かみさんと約束あるんだけどな」

青木「何処行くんだ」

辻 「デパート行くんだ」

千代「何言ってんの、誘惑してやるぞ」

青木「ああ、してやれ、してやれ」

*この後、千代は会話の相手ではないが杉山を誘惑する。

 

 

「秋日和」(58:58)

 

「君は、よっぽどお母さんが好きだねえ」

「そうでしょうか。でも、よく喧嘩もしますわ」

「それが好きな証拠だよ」

*この後、娘は母に喧嘩を売るが最後は仲良く伊香保旅行。

 

【参考文献】

 

 (本文ここまで)




 

 

 

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